自分では気付きにくい

看護師

無関心というサイン

鬱病になると最初にあらわれる症状は気分や意欲の低下です。今まで好きだったものや夢中になれていたことに関心がわかなくなり、大好物でも食べたい・おいしいと感じなくなります。ですがここまででは単に飽きてしまっただけだろうと本人は考えることが多く、鬱であると自覚することはまれです。ここからだんだん集中力がなくなってきたり、注意力が散漫になってミスを繰り返してしまったりするような生活の支障があらわれ始めます。ここでも当人は鬱であると考えるに至らないことが多く、ミスを取り返そうとさらに無理をしてしまうという負の連鎖が発生することが多々あります。この時点で周囲の人たちが異変に気付き、指摘できれば良いのですが、このまま放置すると次は身体的な不調があらわれます。多いのは倦怠感、胃痛、不眠などです。倦怠感は通常の疲労と区別がつきづらいですが、鬱による倦怠感は主に朝に強くあらわれます。起床しても布団から出られず、午後になると何事もなかったかのように元気、というケースも少なくありません。胃痛、不眠の症状があらわれ始めてようやく内科などを受診し、鬱病であると発覚する場合が多く、発症から治療の開始まで時間がかかることが多いです。今まで仕事をしっかりこなしていた人が急にミスをしたりぼーっとしたりするようになったときは、症状が出始めているのかもしれません。鬱病と診断され、治療を始める際の流れは症状によって変わります。まず精神科医やカウンセラーとカウンセリングを行ない、発症の原因を探ります。これにより、例えば職場のストレスによって発症した可能性が高ければ必要に応じて休職などのアドバイスを行ないます。休職は医師の診断書があれば可能ですが、医師が就労不可であると診断した時に限ります。また、睡眠障害や動悸などの症状が出ている場合は、それらの症状を改善するための薬が処方されます。鬱病には2種類あり、気分が落ち込む抑うつ状態だけがあらわれている大うつ病性障害と、抑うつ状態と気分が高揚する躁状態が交互にあらわれる双極性障害に分けられます。このどちらを発症しているかによって処方される薬や治療方法も変化します。また、最初は大うつ病性障害だった人に後で躁状態があらわれ、途中で双極性障害の治療に切り替わるケースもあります。鬱病は目に見える症状が少なく複雑で、慎重にカウンセリングや経過観察を行ないながら臨機応変に付き合っていく必要があります。患者本人の性格や思考の癖などもかかわってきますので、そのときは認知行動療法と呼ばれるもののとらえ方や考え方などを修正する治療方法も用いられます。